アメリカで一口にファーストタイムバイヤー (first-time home buyers) といっても、それぞれが異なったバックグラウンドから来ています。しかし、どのような物件を購入するのか、どれだけの資金を注ぎ込めるのかなど、彼らの資金力など共通する部分はあります。全米リアルター協会(NAR)が発表した「2017年ホームバイヤー&セラーのプロフィール (2017 Profile of Home Buyers and Sellers)」から見てみましょう。
アメリカのファーストタイムバイヤーは、マイホーム購入のためにさまざまな障害を乗り越えなければなりません。それは学生ローンの負債 (student loan debt) から物件購入の頭金 (down payment) まで、すべての範囲にまたがっています。しかしレポートからは、住宅購入に必要な基本的知識の欠如が見られました。例えば、アンケート調査回答者の80%が「住宅購入には最低でも10%の頭金を用意しなければならない」と答えていることなどです。実際には、一時取得者層用の住宅ローンプログラムでも頭金が5%、あるいはそれ以下のプログラムが存在することも知らないのです。
また、全米で問題になっている学生ローンの負債ですが、アンケート調査に回答したミレニアル世代の負債の中間値は41,200ドルと、彼らの年収の中間値である38,800ドルを超えています。ローンの支払いが残っていたために、マイホームの購入を7年遅らせなければならなかったのです。ローンの支払いを遅滞なく定期的にできていたのは55%でした。
マイホームの購入はすべてがチャレンジというわけではなく、リセッション後の住宅ローン審査の厳格化も緩和されてきており、プログラムのひとつは、連邦住宅局 (FHA: Federal Housing Administration) のローンで、これは一般の金融機関からのローンよりも低い頭金で済むだけでなく、低金利であることが魅力で、ファーストタイムバイヤーの34%が活用しています。
ファーストタイムバイヤーの実態
- 年齢は32歳(今までの最高齢)
- 年収が75,000ドル
- 190,000ドルの家を購入
- 頭金は5%
- 典型的な学生ローンの負債は29,000ドル
- 郊外に戸建てを購入
<Source: REALTOR.com>