ご購入 Buying

不動産物件をご購入の際は下記の①~⑧のステップをたどってお手続きが進みます。
process flowchart

① ご購入の前に:エージェント依頼

アメリカは各州で不動産法に違いがあり、エージェントの免許も各州で異なっています。また、不動産仲介に従事する者全てがライセンスを保持しています。ホノルル・リアルター協会に所属するリアルターは自動的に全米リアルター協会(NAR)の会員でもあり、協会で定めた高度な倫理規定 (Code of Ethics) を遵守するように求められています。また、それに伴う各地域での行動規範 (Standard of Practice)に従い、お客様に良い物件をご案内するよう努めます。

ホノルルで物件を購入する際は、ホノルル・リアルター協会所属の不動産会社のリアルターを選ぶことをお勧めします。ちなみに買主側のリアルターをバイヤーズ・エージェントとも呼びます。

ホノルルの市場に出ている販売物件は、MLS(Multiple Listing Service)という物件情報検索サイトに全て登録されています。日本と違い、エージェントが利用するこのシステムは、一般の人でも物件の検索が可能です。

MLSでは物件情報が公平に提供されています。一般的に売主は専属専任媒介契約 (Exclusive Right to Sell) で1つの会社と契約するのが普通ですが、情報公開という観点から透明性が保たれており、アメリカでは買主に特定の会社からしか情報が入らないということはありません。

アメリカでは各個人がライセンスを持っているため、会社を指名するより直接エージェント(不動産取引の資格を持ったリアルター)に売買取引を依頼するのが一般的です。日本では複数の業者から情報を提供されることで、より多くの物件情報を得られると考えられていますが、アメリカにおいてはMLSで全ての販売物件情報が共有されるため、信頼できるエージェントを選び、どのような目的で物件を購入するのか検討されると良いでしょう。

  1. 購入目的:マイホーム、セカンドホーム、減価償却など資産活用、社宅や福利厚生。
  2. 予算:ローン申請する場合は予めローンオフィサーと会い、必要書類の準備が必要です。
  3. 家族構成:ペットも含めて使用面積や部屋数など考慮します。

② 物件の選定:物件検索~内覧(ショーイング)

前述のようにハワイの物件はMLSの一般向けサイトから自由に検索出来ます。現段階のMLSは英語表記のみですが、エージェントと連絡をとりながら、物件情報を入手することをお勧めします。

毎週日曜日の午後に行われるオープンハウスでは、予約なしに物件を見ることが可能です。それ以外にも、業者間の内覧(ブローカーズオープン)や、個別内覧などもあります。

出来る限り現地に赴き、ご自身で物件を確認することが理想ですが、難しい場合はMLSサイトの情報や写真だけでなく、エージェントによるコメントやアドバイス、別途に撮影した写真や動画も役立ちます。内覧の際には、周りの環境や学校、病院、ショッピングセンターへのアクセスなども確認すると良いでしょう。

アメリカでは不動産所有はライフスタイルによって変わっていくものと考えられています。家庭によっては、5〜8年毎に買い替えたり、自宅として2軒まで所有できる税制面の恩恵もあることから、マイホームというだけでなく、長期の大切な資産形成としても活用されています。

③ ご購入の申し込み:オファーの提出

アメリカでは不動産の取引は全て書面で行われるよう義務付けられています。

買付を申し込むことを「オファーを出す」と言います。購入したい物件は、先ず書面で意思表示する必要があります。ハワイでは売買契約書をパーチェス・コントラクト (PC: Purchase Contract) と呼び、これに希望購入金額や条件など記載します。

購入プロセスはオファー書類に基づいて登記まで導かれます。どのような条件が必要であるか、エージェントと相談して記入していきます。

住宅ローンが必要な場合は、早い段階からローンオフィサー(モーゲージ・ブローカー)に相談することをお勧めします。ローン審査には時間が掛かり、一般的に審査から取得まで45~60日間を要します。

④ 交渉~合意:ご成約

全てのオファーには有効期限が付いています。売主がオファーを承諾する場合、買主が指定した期限までに返事することでオファーが成立します。

⑤ エスクローの開設

オファーが成立するとエスクロー会社がエスクローを開設します。エスクロー会社は、売主と買主が直に顔を会わせることなく金銭の受領確認や権利書類の移行を安全に進めるための中立的な第三者機関です。エージェントは売買契約書で決められた各項目を期間内に履行するよう買主/売主をサポートします。

  1. 手付金
  2. 登記書類の署名及び公証手続き
    登記書類には売主と買主の署名が必要です。ホノルルのエスクロー会社で行うことが難しい場合は、日本の米国大使館/領事館や公証役場で行い、公証書類をエスクローに提出します。
  3. 最終点検
    売買契約書に示された期日(クロージングの3〜5日前)までに、ファイナル・ウォークスルーを指示します。基本的には、売主と買主のエージェントが行います。
  4. 最終金額のお支払い
    残金を所定の日時までにお支払いください。
  5. クロージング~登記
    クロージング・ステートメントの準備および登記の確認。またクロージング前に、海外不動産投資税法(FIRPTA:Foreign Investment in Real Property Tax Act)とハワイ州源泉課税(HARPTA)の徴収依頼の書面がエスクロー会社から買主宛に送付されますので、忘れずに売主側の署名をもらい、エスクロー会社に送り返してください。不動産取引によるキャピタルゲイン(利益)にかかる税金は、売主側に支払い義務がありますが、エスクローを通じてその徴収をする義務は買主側にあります。

⑥ デューデリジェンス

売買契約書で事前に合意した事項は、大きく分けて住宅ローンとホームインスペクションになります。それぞれを必要期限内に実施するのですが、日本からの投資家は多くの場合、米国のモーゲージ(住宅ローン)を利用しない傾向にあるので、ほとんどはホームインスペクションになると思います。これはバイヤーの費用で実施するもので、売買契約書に示された期日内(一般的にはエスクローが開設されてから一定期間内)に、プロのホームインスペクターを使って、購入物件の建物の状況を調べる必要があります。

チェックした内容は、ホームインスペクションレポートとして、バイヤーとそのエージェントに開示されます。バイヤーがハワイに滞在できない場合は、エージェントを通じて、ビデオや報告書などでタイムリーに建物の状況報告を受けられます。

⑦ 追加の手付金(第二次手付金)と公証手続き

全米の取引の90%以上が既存住宅となりますので、エスクローを通じて、書面で前述のホームインスペクション条項(契約書ではJ-1)の承認を行います。相手側に書面で承認を伝えてから、契約書に示された期日内に追加の手付金の送金を行います。

その後、登記書類の一つとして、譲渡証書の公証手続が必要になります。購入物件の所在地で必要書類に署名する必要がありますが、海外投資家の多くはそれが不可能ですので、日本にある米国大使館あるいは総領事館、または東京や大阪にある公証役場にて、譲渡証書の公証手続を行います。

⑧ 引渡し

エスクローのクロージング日が、登記する日になります。朝一番で登記手続が行われます。登記完了後は、エスクロー会社からエージェント(バイヤーズ・エージェント)に連絡が入り、登記の完了が伝えられます。その後、鍵と権利証書のコピーが買主に渡り、お取引が完了となります。