オンラインの金融機関であるレンディングツリー (LendingTree) は、「全米の都市の中で、居住用ではなく、投資あるいは非居住用 (non-owner-occupied) として購入された物件の比率が多い場所は、南部と西部に多く見られる」と最近の調査で発表しました。
この調査で判明した主なポイントは、下記の5つです。
全米の中でも地域差があり、南部と西部に非居住用の比率が多く見られ、北東部と中西部ではその比率は低くなっています。
米国本土の南部の地域は、人口の増加と住宅価格が低いことで、多くの投資家の人気を集めています。この地域では、一般的に所得が低いため、現在の住宅価格の上昇についていけない層もあり、それが賃貸市場へと回っています。
西部諸州では、住宅価格の高騰が多くの投資家を呼び寄せており、この地域でも価格の急上昇により、住宅を購入できなくなった層が、賃貸に回っています。
北東部と中西部では、住宅価格は全米平均とほぼ同じで、購入しやすい状況下にあります。よって、持ち家比率も高く、投資家にとってはあまり良いマーケットとは言えません。
ホームオーナーシップ(マイホーム願望)のトップ10都市での比率は59%、また、全米のトップ50都市の上位10都市では67%となっています。
レンディングツリーの調査では、全米のトップ50都市における非居住用ローンの比率を元に計算しています。非居住用とは、バケーションホーム (vacation homes)、 あるいは投資用 (investment homes) またはセカンドホーム (second homes) のことです。
そのため、米国でモーゲージ (mortgage:住宅ローン) を利用した件数のうちの非居住用の比率ですので、日本からの投資家のように、現金、あるいは日本で融資を受けた物件は、ここでは含まれていません。
非居住用の住宅ローン比率が最も高い上位3都市です。
1.オクラホマシティー:オクラホマ州
非居住用比率:15.4%
非居住用平均ローン額:193,000ドル
居住用平均ローン額:182,000ドル
2.フィラデルフィア:ペンシルバニア州
非居住用比率:14.6%
非居住用平均ローン額:245,000ドル
居住用平均ローン額:225,000ドル
3.メンフィス:テネシー州
非居住用比率:14.6%
非居住用平均ローン額:126,000ドル
居住用平均ローン額:192,000ドル
反対に、非居住用の住宅ローン比率が最も低い下位3都市です。
48.ハートフォード:コネチカット州
非居住用比率:5.9%
非居住用平均ローン額:237,000ドル
居住用平均ローン額:215,000ドル
49.クリーブランド:オハイオ州
非居住用比率:5.7%
非居住用平均ローン額:124,000ドル
居住用平均ローン額:167,000ドル
50.デトロイト:ミシガン州
非居住用比率:5.2%
非居住用平均ローン額:115,000ドル
居住用平均ローン額:163,000ドル
<Source: LendingTree>