リアルター・ドットコム(Realtor.com)の最新の調査によると、2017年はより多くの高級物件が売りに出され、100万ドル以上の物件(Million-Dollar Listings)が全体に占める割合は3.9%でした。

ラグジュアリー・プロパディーズ(高級物件:Luxury Properties)とは、米国では一般的に物件価格が上位5%の部類に属するものを意味しています。価格には地域差がありますが、この部類へのエントリーポイントは804,000ドルで、昨年比で5.1%も上昇しています。

これらの物件を売買するために、2017年は前年より5.4%も余計に時間がかかり、成約されるまで平均すると116日間市場に出ています。物件価格は2017年に5.1%上昇しましたが、全米市場における6.9%増には追いついていません。またこの価格帯は、他の価格帯の物件が経験している販売可能な物件数の減少、いわゆる在庫薄の状況には陥っていません。ハワイ(Hawaii)やコロラド(Colorado)、カリフォルニア(California)などは、ラグジュアリー物件も二桁成長を示しています。

「2017年は、ラグジュアリー・マーケットにおいても力強い動きがあったが、全米の平均からはまたしても置いていかれた状況にある」と、リアルター・ドットコム社の経済リサーチ部門ディレクターのハビアー・ヴィヴァス(Javier Vivas )氏は述べ、「高価格帯の物件がスローダウンした大きな理由は、この価格帯の供給数が需要を常に上回っているからであり、新政権発足後の経済や政治に対する不安感が増幅されたことも一因である」と続けています。

地域的に見ると、ハワイ州の4郡、マウイ(Maui)・カウアイ(Kauai)・ハワイ(Hawaii Island)・オアフ(Oahu)は全体で10%以上の二桁成長を示しており、マウイ島では30%も価格が上昇しています。コロラド州のスキーリゾート地・イーグル(Eagle)やニューヨーク(New York)州のブルックリン(Brooklyn)も同様です。

ラグジュアリー・マーケットが急成長を遂げているこれらの地域は、買換え層の市場の成長を凌駕しています。

全米で最も高級なラグジュアリー・マーケットのトップ3は、マンハッタン(Manhattan)を中心とするニューヨーク(NYC)市、サンフランシスコ(San Francisco)市を中心とするベイエリア(Bay Area)、そしてビバリーヒルズ(Beverly Hills)やベルエアー(Bel Air)を中心とするロサンゼルス(Los Angeles)市郡です。この3つに共通することは、成長率が全米平均を超えていることです。

成長著しい市場は、上記に加えて中国からの投資で急成長しているワシントン(Washington)州のシアトル(Seattle)、セカンドホーム(Second-Home)、いわゆるリゾート地域では、前述のハワイ州のホノルル(Honolulu)市とマウイ島、カウアイ島、ハワイ島の3郡を中心に、コロラド州やユタ(Utah)州のスキーリゾート地、そしてフロリダ(Florida)州沿岸の都市などがトップ20に入っています。

<Source: Realtor.com>