戦後のアメリカの高度成長に伴う住宅普及の変遷について、年代ごとにまとめてみました。

  • 1950年代:この年代の特徴は、マイホーム志向です。しかしその実態は、購入者の好みというよりも、シンプルなデザインによる“箱”の普及でした。また、ベッドルームの数(平均:1.5)よりもバスルーム(平均:2.35)の数が多いことも特徴です。平均的な家のサイズは、983 sq.ft (91.32㎡)とまだ小ぶりでした。
  • 1960年代:平均的な家のサイズが1,200 sq.ft (111.48㎡)となり、デザインされた家が少しずつ増えてくるようになりました。また、ベッドルーム(平均:2.5)の数がバスルーム(平均:1.5)の数を上回るようになりました。
  • 1970年代:この年代の最も大きな特徴は、キッチンなどのアプライアンスの色が明るい色へと変わり、カラフルになったことです。平均的な家のサイズは1,500 sq.ft (139.35㎡)になり、土地のサイズも10,125 sq.ft (940.64㎡)になりました。ベッドルームは3に、バスルームも1.8に増えました。
  • 1980年代:70年代と比べると、アプライアンスの色がアーモンドやベージュなどのニュートラルな色に変わりました。また、アップルの最初のマッキントッシュが発売された時代でもあります。土地のサイズは70年代よりも一回り小さくなり、平均で9,180 sq.ft (852.85㎡)になりました。平均的な家のベッドルームは3と変わりませんが、バスルームは2つになり、時代の流れを示しています。
  • 1990年代:平均的な家のサイズは2,080 sq.ft (193.24㎡)と、80年代の1,740 sq.ft (161.65㎡)と比べると21%も大きくなりました。しかし、ベッドルームとバスルームの数には変化がなく、その分部屋のサイズが大きくなっていることが特徴です。土地のサイズは10,000 sq.ft (929.03㎡)と、70年代に戻ったようでした。
  • 2000年代:世代の特徴を顕著に表すキッチンに新たな変化が現れ、ステンレススチールのアプライアンスがポピュラーになりました。家のサイズは90年代よりは一回り大きく2,266 sq.ft (210.52㎡)になりましたが、土地のサイズは8,930 sq.ft (829.62㎡)と小さくなりました。平均的なベッドルームは3.34、バスルームは2.37に増えました。
  • 2010年代:土地のサイズは8,900 sq.ft (826.84㎡)と、00年代とほぼ変わりませんが、建築家やデザイナーなどによる、平屋よりも複数階の、そして天井が高く高級感を演出する設計が流行りました。また、家のサイズは2,392 sq.ft (222.22㎡)と、若干大きくなりました。この時期になると、ホームエンターテインメントのテレビのサイズが大きくなり、1家庭で平均3つのテレビを持つようになりました。
  • 2016年:購入者の好みが多角化され、部屋の空間を自分の好みにリモデル出来る物件が好まれる傾向になってきており、なかでも、家の内部とラナイ(バルコニーやベランダ)という“内と外の生活空間”のリモデルが好まれるようになってきました。

<Source: REALTOR.org>